福の樹便りFukunoki dayori
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2024年春号不妊症と桃太郎
「桃太郎」のお話はご存知でしょうか?
今回は鬼退治の話ではなく、桃から生まれた桃太郎の誕生秘話をお伝えします。
これは、一つの説ですので「へぇ~」って程度に読んでくださいね。
「むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました・・・」 昔々のおじいさんとおばあさんとはいくつだったかご存知ですか?今でも、40歳になったら「初老」といわれるように、当時はアラフォーだったと考えられます。
川で拾った桃を切ったら元気な男の子が出てくるのが桃太郎のお話ですが、桃を切って出てくる桃の種は漢方生薬で「桃仁(とうにん)」といいます!
さて、この「桃仁」の効能効果は・・・
●活血・・・血の流れを良くする
●排膿・・・膿を出しやすくする
●潤腸・・・腸に潤いを与え便の滑りを良くする
といった効果があり、月経障害、下腹部痛などに用いることが多い生薬です。
つまり、意訳すると40代の子供がいない女性が川で拾った桃から桃仁を取り出しこれを煎じて服用したところ、ホルモンバランスが良くなり子供が生まれた!と考えることもできるんですよ。
「桃の種のおかげで生まれた桃太郎」がいつの間にか「桃から生まれた」になったのかもしれないですよね。
現代は「不妊治療」をされている方はとても多いのですが、今も昔も変わらず「桃仁」は有効な生薬なんですよ。
「桂枝茯苓丸」「桃核承気湯」「折衝飲」「芎帰調血飲第一加減」など慢性化した婦人科疾患に用いる漢方薬には配合されています。
※ただし、妊婦さんには禁忌(使用してはいけない)ですので妊娠が分かり次第中止します。妊娠初期の段階では大丈夫ですのでご安心ください。
最近では、糖質過多やグルテン過剰摂取によるホルモン異常が不妊症の原因であることも多いですので、一概に「桃仁」を使った漢方薬が良いという訳ではありません。自分に合った漢方薬をご要望の方はご相談くださいませ。