福の樹便りFukunoki dayori
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2017年 春号漢方薬と腸内環境
漢方薬って同じ症状の方に同じ漢方薬を処方しても効き目がうまく出る人と出ない人がいることをご存知でしょうか?
私の処方の見立てが間違っていると言われればそれまでなのですが、漢方薬を服用される方の腸内環境が大きく効果を左右することがあるんです。
漢方薬の有効成分は生薬から抽出された成分がそのまま体内に吸収されるものと、体内で分解されてから有効成分になるものがあります。この体内で分解するのはなんと「腸内細菌」といわれています。生薬の有効成分は植物の中では「有効成分+糖=配糖体」という状態で保持されています。これを人間の体内に入れると腸内細菌が自分の栄養として配糖体の「糖」を欲しいがために分解します。すると有効成分だけが残り人体に吸収されやすい形になります。これが薬効として機能するんです。すごいですね。
しかし、腸内環境が悪い人はこの分解が上手くいかず薬効が現れにくくなっています。同じ漢方でもすぐ効く人、なかなか効かない人には腸内環境の良し悪しが非常に重要だということが分かりますよね。
さて、漢方が効きにくい人は腸内環境が悪いかもということは分かりましたが、なぜ腸内環境が悪いのでしょうか?そのキーワードは「糖質の過剰摂取」なんですよ。詳しくは次回解説したいと思います。